【生死を彷徨った】ラットの呼吸器疾患~マイコプラズマ性肺炎!?【ラト丸】
どうもちゃそ (@chaso_vet)です
お久しぶりです
実はうちのラト丸が体調をくずしました・・・😷
本当に本当に危ないところでした
もうだめだ死んでしまうと涙した日もありました
※現在も治療中、小康状態です・・・🐁
おそらく原因は
マイコプラズマ性肺炎😷と思われます
感受性試験等したわけではないのであくまでも治療への反応とラットではよくある感染として知られているので
今回の記事ではこいつにスポットを当てて治療とともにお話したいと思います
異常呼吸音→状態悪化(次の日死んでもおかしくないレベル)→今日
マイコプラズマ肺炎って???
マイコプラズマとは小さな細菌の一種でラットでは慢性肺炎を引き起こすといわれています
空気感染により伝播しますが、多くは不顕性感染(症状が現れない)です。
死亡原因にはなりにくいですが、免疫が落ちた時などに症状が現れることがあります
症状としては鼻汁、咳、くしゃみ、呼吸困難、体重減少、不活発などがあげられます
またラットの呼吸器疾患ではマイコプラズマだけでなく
他の菌やウイルスとの混合感染が多いといわれていて
センダイウイルス、パスツレラ菌、連鎖球菌、コリネバクテリウム菌なども関わっていると考えられており
治療に関してはこれらの混合感染のことも考えなら治療を進めていくことが求められます
ラト丸の経過
昔からくしゃみやポルフィリンは多めでしたがはじめてのラットなのでこんなもんかと思っていました
ある時から鼻音がするようになり、ここでお薬を開始
一瞬効くもまた再発、お薬は継続
しかし大きくなる鼻音・・・
呼吸困難+体重減少
抗生剤変更+ネブライザー2日に1回使用
1週間後 治った!!!
このあと念のため1週間お薬→投薬やめる
当時のレントゲンがこちら
左:投薬後 右:前
完全に右肺がつぶれています・・・
3週間後再発
鼻音はしないが、呼吸が早いことに気づき聴診でいつもと違う…?となりレントゲン撮影
肺胞パターンといわれる肺炎を示唆する所見あり
慌てて抗生剤を再開するも5日後虫の息
さらに点滴とネブライザーを連日使用
虫の息から4日後、元通りとはいいませんがある程度元気に!
現在も呼吸状態は悪いが食欲あり
現在の治療
💊内服
抗生剤:エンロフロキサシン、ドキシサイクリン
※この二剤併用がマイコプラズマ肺炎治療の基本のようです
抗炎症剤:プレドニゾロン、トラネキサム酸
気管拡張剤:ネオフィリン
💉点滴
ラクトリンゲル:13ml/日
生理食塩水
ゲンタマイシン
チロキサポール
ジプロフィリン
デキサメサゾン これらを混合して、噴霧器に入れて使っています
あなたにできることは???
体重減少、異常呼吸音が続いたら即病院へ
元気に見えても1日で意外と容体は変わります
とくに小さいネズミならなおさらです
迷っているなら病院へGO!
上記の治療は飼育者であり獣医師であるわたしだからできたのかも
うぬぼれではなく、それだけ稟告が大事ということ
寝てる時間が増えていないか
ゴハンをしっかり食べているか
水は飲んでいるか
便や尿はきちんといつもの量がでているか
いつも通り動けているか
呼吸の回数は増えていないか
鼻音はしないか
どれだけいつもと違うか
それをどれだけ正確に獣医師に伝えられるか
飼い主さんにできることはここまで
あとはどれだけ獣医師が耳を傾け、どこまで治療すべきかを考える
エキゾチックアニマルの診療で一番大事なことは問診👄です
【わからない】では救えません
ラト丸は5月を迎えられるか厳しい状態ですが
わたしが責任をもって最期まで最高の治療を続けようと思います🐁
参考文献
実験動物学 朝倉書店
パーフェクトペットオーナーズガイド ネズミ 誠文堂新光社
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